派遣の登録・履歴書・面接(顔合わせ)・交通費・社会保険など、場面ごとのよくある質問に答えます。2020年施行の同一労働同一賃金が待遇に与えた変化や、複数登録・契約更新・退職時の注意点まで整理します。
この記事でわかること
- 派遣の登録・履歴書・面接(顔合わせ)・交通費・社会保険など、場面ごとのよくある質問の答え
- 登録から就業開始までの流れで生じやすい疑問と、損をしないための確認ポイント
- 2020年施行「同一労働同一賃金」が、交通費・有給・福利厚生に与えた実務上の変化
- 複数登録・契約更新・退職・トラブル対応で、先に押さえておきたい注意点
公的情報源: 厚生労働省「労働者派遣事業」(参照)
結論を先に書きます
派遣の疑問の多くは「登録・履歴書・交通費・社会保険」の4テーマに集約されます。結論から言うと、登録は無料、社会保険・有給・産休育休も条件を満たせば正社員と同じく権利がある。これが大前提です。
ただし交通費や社会保険の扱いは、2026年時点でも会社や契約内容によって差があります。求人票と担当者への確認をセットにすれば、入ってから「思っていたのと違う」を避けられます。
- 派遣登録は完全無料。登録料を請求する会社は労働者派遣法の趣旨に反するため避けたい
- 顔合わせは法律上「選考ではない」が、実質的な面接に近い場面。スキルシートと服装の準備が要
- 交通費・社会保険・有給は条件と契約しだいで変わる(2026年時点・会社ごとに要確認)
- トラブル時はまず担当コーディネーター、解決しなければ労働基準監督署・労働局に相談
この記事は、派遣の登録から就業中・退職までを場面別に整理したFAQです。気になる項目から読んで、手続き前の確認に使ってください。会社選びそのもので迷っている方は、派遣会社おすすめランキングもあわせてご覧ください。
派遣会社よくある質問①|登録・手続き編
まずは登録まわりの疑問です。結論として、登録は無料・複数登録OK・就業まではおおむね1〜4週間。この3点を押さえておけば、登録段階で迷うことはほとんどありません。
Q:派遣登録に費用はかかりますか?
派遣会社への登録は完全無料です。登録費・紹介料・管理費などの名目で金銭を求める会社は、労働者派遣法第33条の趣旨に反する行為で、厚生労働省も注意喚起しています。
登録説明会や適性テストへ行くための交通費が自己負担になることはありますが、派遣会社が登録の対価を徴収することはありません。もし「登録料が必要」と言われたら、その時点で見送り、別の会社を検討するのが安全です。
大手(パーソルテンプスタッフ、リクルートスタッフィングなど)はいずれも無料登録を明示しています。各社の特徴は大手派遣会社の比較で整理しています。
Q:複数の派遣会社に同時登録しても問題ありませんか?
問題ありません。むしろ2〜3社に同時登録するのが、仕事を早く見つける定石です。
会社ごとに取り扱う求人が違うため、1社に絞ると選択肢が大きく狭まります。オフィス系・製造系・IT系など職種で強みが分かれるので、希望職種に強い会社を組み合わせると効率よく比較できます。在職中でも登録自体は自由です。
注意点は1つ。同時に複数社へ「興味あり」と伝えると調整が複雑になるため、応募・承諾の連絡は慎重に進めましょう。複数登録の進め方は派遣会社の選び方でも触れています。
Q:登録から仕事開始まで、どのくらいかかりますか?
案件の空き状況と希望条件で変わりますが、一般的には1〜4週間程度が目安です。登録当日にスキルシートを出して翌日に紹介が届くこともあれば、条件が細かく2〜3ヶ月かかることもあります。
早く決めるコツは「勤務開始可能日を早めに設定する」「希望条件に優先順位をつけて一部を柔軟にする」の2点。事務職・コールセンター・軽作業系は求人数が多く比較的早く決まる傾向です。一方、専門職や特定エリア限定は時間がかかる場合があります。
派遣会社よくある質問②|履歴書・面接編
次に多いのが履歴書と面接の疑問です。ポイントは、初回登録に履歴書は不要なことが多いが、顔合わせは実質的な面接に近いという点。準備の力点をここに置くと結果が変わります。
Q:派遣会社への登録時に履歴書は必要ですか?
初回登録時は、多くの場合書面の履歴書は不要です。オンライン登録フォームへの入力や、登録面談でのヒアリングで代替されます。
ただし派遣先との「顔合わせ・職場見学」では、スキルシートや職務経歴書の提出を求められるのがほとんど。スキルシートはコーディネーターが作成をサポートしてくれるケースが多いですが、自分で書く場合は「担当業務・使用ソフト・処理件数」を具体的な数値で記載すると評価が上がります。
写真の貼付は顔合わせ用書類には不要なことが多いものの、事前に担当者へ確認しておくと安心です。
Q:顔合わせと面接はどう違うのですか?
労働者派遣法では、派遣元が特定の派遣社員を選ぶ「採否を決める選考行為」は禁止されています。そのため建前上、派遣先が行うのは「採用面接」ではなく「顔合わせ・職場見学」という位置づけです。
ただし実態としては、志望動機・職歴・スキルの確認が行われ、企業側が「合わない」と判断すれば就業に至らないこともあり、実質的には面接に近い内容になります。
顔合わせ前にコーディネーターから事前情報(会社の雰囲気・担当者の特徴・よく聞かれる質問)を共有してもらえる場合があるので、積極的に確認しましょう。服装はスーツまたはオフィスカジュアルが無難です。
Q:顔合わせで不合格になることはありますか?
法律上は「選考」ではないものの、結果として就業に至らないことはあります。理由で多いのは「スキルが求めるレベルに届かない」「希望する勤務条件と実態が合わない」「雰囲気が合わないと双方が感じた」など。
不合格でも、派遣会社は別の案件を継続して紹介してくれます。一度で決まらないのは珍しくなく、2〜3回顔合わせを経て就業が決まるケースも多いです。落ち込まず、スキルシートの見直しや希望条件の幅を広げる機会と捉えましょう。
顔合わせと一般的な採用面接の違いを、表で整理しておきます。
| 項目 | 採用面接(正社員) | 顔合わせ(派遣) |
|---|---|---|
| 法的位置づけ | 採用選考 | 選考行為は禁止(業務説明の場) |
| 履歴書 | 原則必要 | スキルシート・職務経歴書が中心 |
| 志望動機 | 必須 | 聞かれることがある(任意的) |
| 合否通知 | 企業から直接 | コーディネーター経由 |
| 服装 | スーツが基本 | スーツまたはオフィスカジュアル |
派遣会社よくある質問③|交通費編
交通費は「出るか出ないか」を気にする方が多いテーマです。結論は、2020年の同一労働同一賃金で実費支給が広がったが、上限や条件は会社ごとに異なる。だから「時給+交通費の合計」で比べるのが正解です。
Q:交通費は支給されますか?
支給の有無は案件によって異なります。大きく分けて「交通費別途支給」「時給に含む(交通費込み)」「交通費なし」の3パターンです。
2020年4月施行の「同一労働同一賃金」により、派遣会社は派遣先の正社員と同水準の交通費実費支給か、その差異の合理的な説明を行う義務を負いました。これにより、以前は交通費込みだった案件の多くが実費支給や通勤手当として別途支給する形へ変化しています(2026年時点)。
ただし求人票に「交通費支給」とあっても、上限額(例:月2万円まで)が設けられていることがあります。上限の有無も応募前に確認しましょう。
Q:交通費が出ない案件はありますか?
同一労働同一賃金の施行後も、交通費が出ない(または実態として時給に含まれる)案件は一定数あります。特に時給が高めの求人で見られます。
たとえば「時給1,500円・交通費なし」と「時給1,350円・交通費実費支給(上限2万円)」を比べるとき、通勤距離や交通費の実額によって、どちらが実質的に有利かは変わります。求人を比較する際は「時給+交通費の合計額」で判断するクセをつけましょう。交通費の有無は必ず求人票に明記されているので、応募前に確認してください。
交通費を比較するときの考え方
- 「時給+交通費支給額」を月単位で計算して比較する
- 交通費上限(月1〜2万円が多い)を求人票で必ず確認する
- 在宅勤務・テレワーク案件は交通費が発生しない点も考慮する
- IC定期代の実費精算か、上限固定かを担当者に確認する
派遣会社よくある質問④|社会保険・福利厚生編
社会保険・有給・産休育休は、長く働くほど効いてくるテーマです。結論は、条件を満たせば派遣社員も正社員と同じく加入・取得できる。短期・短時間だけは扱いが変わるので、見込み就業期間で判断しましょう。
Q:派遣社員でも社会保険に加入できますか?
一定条件を満たせば、派遣会社を通じて健康保険・厚生年金・雇用保険に加入できます。加入の目安は「週20時間以上の勤務」「2ヶ月を超える雇用見込み」。
さらに従業員51人以上の企業(派遣元)では2024年10月以降、週10時間・月8.8万円以上の収入がある短時間労働者も適用対象になりました(制度は今後も変わりうるため、加入条件は最新情報を確認してください)。
社会保険に加入すると、傷病手当金・出産手当金・育児休業給付金なども受け取れます。長期就業を考えるなら、社会保険完備の案件を選ぶのがおすすめです。条件に満たない短期・短時間勤務の場合は、国民健康保険・国民年金への加入が必要です。
Q:有給休暇はもらえますか?
派遣社員にも、労働基準法に基づく有給休暇が付与されます。付与は「継続6ヶ月以上勤務し、全労働日の8割以上出勤」した場合で、フルタイム勤務なら10日分。
派遣先が変わっても、同じ派遣会社に登録し続けていれば勤務期間は通算されます。申請はコーディネーターを通じて行い、取得時期は派遣先と調整します。同一労働同一賃金の施行で、有給に関する待遇差も正社員と合理的に均等化することが求められており、かつてより取得しやすい環境が整いつつあります。
Q:産休・育休は取れますか?
社会保険に加入している派遣社員は、産前産後休業・育児休業の取得が可能です。ただし育児休業給付金の受給には「休業前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある」などの要件があります。
派遣期間中に妊娠が分かったら、まず担当コーディネーターに相談することが大切です。産休・育休中は派遣就業を行いませんが、会社によっては育休復帰後に新しい案件を紹介する制度を持っています。「産休・育休実績あり」を明示している会社を選ぶと、より安心して長期キャリアを描けます。
派遣会社よくある質問⑤|契約・更新・退職編
契約期間や辞め方は、トラブルになりやすいテーマです。結論は、契約は3ヶ月単位が一般的、最長3年。途中退職は原則できないが、事情しだいで相談可能。早めに担当者へ相談するのが鉄則です。
Q:契約期間は何ヶ月が多いですか?
派遣の契約期間は3ヶ月が最も一般的です。更新可の案件では3ヶ月ごとに更新判断が行われ、最長3年(同一事業所・同一組織単位)まで働ける制度が法律で定められています。
3年ルール(派遣期間制限)の上限後の選択肢は、①派遣先での直接雇用への切り替え、②別の組織・部署への異動、③別の派遣先への移動、の3つ。無期雇用派遣(常用型派遣)の場合は3年ルールの対象外となるため、長期安定就業を希望するなら無期雇用型の制度がある会社を検討するのも一つの方法です。
Q:契約期間中に辞めることはできますか?
民法第628条により、やむを得ない事由がある場合は契約期間中でも解約が可能ですが、基本は契約期間満了まで働くのが原則です。やむを得ない事由の例は、親族の介護・病気・ハラスメント被害など。
単に「仕事が思っていたと違う」という理由では、即日退職は認められにくく、損害賠償を請求されるリスク(実際にはほとんど請求されませんが)もゼロではありません。辞めたい気持ちが強くなったら、まず担当コーディネーターに正直に相談してください。契約満了のタイミングでの終了や、派遣先との調整を含めた解決策を一緒に考えてもらえます。
契約更新・退職時の注意点
- 更新しない場合は契約満了の1ヶ月前までに担当コーディネーターへ申し出る
- 退職後も派遣会社への登録は維持されるため、次の仕事紹介を受け続けられる
- 雇用保険に加入していれば、一定条件で失業給付が受け取れる
- 3年ルールの上限が近づいたら早めに次のステップを相談する
派遣会社よくある質問⑥|トラブル・困りごと編
最後はトラブル対応です。結論は、まず担当コーディネーター、解決しなければ労働基準監督署・労働局へ。一人で抱え込まず、記録を残しながら早めに動くのが解決の近道です。
Q:派遣先でハラスメントを受けたらどうすればいいですか?
まず派遣会社のコーディネーターに連絡してください。派遣社員の雇用主は派遣会社であり、派遣会社には安全配慮義務があるため、派遣先への是正申し入れや就業場所の変更などの対応を行う責任があります。
証拠として、日付・発言内容・場所を記録したメモや、可能であれば録音も有効です。深刻な場合は、会社の相談窓口のほか、都道府県労働局「総合労働相談コーナー」やハローワークへの相談も選択肢です。「我慢しなければ」と思い込まず、早めに相談することで状況が改善するケースが多くあります。
Q:給与の支払いが遅れた・少なかった場合は?
給与の支払い遅延・不足は、労働基準法違反に当たる可能性があります。まずは給与明細と勤務記録(タイムシートなど)を突き合わせ、不足額を正確に把握しましょう。
その上で給与担当部門またはコーディネーターに連絡し、書面(メール)で記録を残しながら対応を求めることが重要です。交渉しても解決しない場合は、労働基準監督署に申告すると調査・是正指導が行われます。給与明細・タイムシートのコピーは必ず手元に保管を。「言った・言わない」を防ぐため、連絡は電話だけでなくメールやチャットで履歴を残すのがおすすめです。
よくある質問
ここまでで触れきれなかった、頻出の質問を補足します。
Q:登録だけして仕事をしないのは問題ありますか?
登録のみで就業しないこと自体に、法的な問題はありません。ただし長期間にわたって紹介を受けても断り続けていると、派遣会社側からの紹介優先度が下がるケースがあります。
「今すぐは難しいが○月から働きたい」など、就業可能時期を正直に伝えておくと、適切なタイミングで紹介を受けやすくなります。
Q:派遣でも昇給・キャリアアップはできますか?
可能です。2018年施行の派遣法改正により、派遣会社はキャリアアップ措置(教育訓練・キャリアコンサルティング)を義務づけられています。
同一業務を継続していても1年ごとにスキル・経験が評価され、時給アップが行われる会社も増えています。スキルを高めれば、紹介される案件の時給レンジを上げることは十分可能です。
Q:派遣と紹介予定派遣の違いは何ですか?
通常の派遣は派遣会社が雇用主のまま派遣先で働く形態です。一方紹介予定派遣は、最長6ヶ月の派遣期間終了後に派遣先への直接雇用(正社員・契約社員)に切り替えることを前提とした制度です。
双方の合意が必要で、直接雇用が成立しないこともありますが、正社員を目指す足がかりとして活用する人が多くいます。求人票に「紹介予定派遣」と明記されています。
Q:テンプスタッフとリクルートスタッフィング、どう選べばいいですか?
どちらも大手で信頼性が高く、一概にどちらが良いとは言えません。テンプスタッフはオフィス系・事務職に強く、全国の求人カバー率が高い点が特徴です。リクルートスタッフィングは求人数・スピードに強みがあり、首都圏の案件が充実しています。
希望職種・勤務エリアに応じて両方に登録し、紹介される案件の質と担当者との相性で判断するのがおすすめです。各社の傾向は大手派遣会社の比較で詳しく整理しています。
まとめ
派遣のよくある質問を、場面別に振り返ります。要点を押さえて、手続き前の最終チェックに使ってください。
- 派遣登録は完全無料が原則。費用を請求する会社は避ける
- 顔合わせは法律上「選考禁止」だが実質的な面接に近い。スキルシートと服装の準備が要
- 交通費は2020年の同一労働同一賃金で実費支給が広がったが、上限・条件は会社ごとに確認(2026年時点)
- 社会保険は週20時間以上・2ヶ月超勤務で加入可能。有給・産休・育休も条件しだいで権利がある
- トラブル時はまず担当コーディネーター、解決しなければ労働基準監督署・総合労働相談コーナーへ
派遣は、仕組みを知っておくほど損をしにくい働き方です。会社選びで迷ったら派遣会社おすすめランキングを、登録の具体的な流れは派遣登録の流れをあわせてご覧ください。
関連記事
免責事項
※本記事は派遣・求人に関する公開情報をもとにした整理です。社会保険・交通費・契約条件などの制度は2026年時点の内容で、会社・契約・法改正によって異なります。最終的な判断は各派遣会社の最新情報および厚生労働省等の公的情報をご確認のうえ、必要に応じて社会保険労務士・弁護士など有資格者へご相談ください。
