派遣時給は職種・地域・派遣会社の3軸でレンジとして読むのが基本です。事務・IT・製造など職種別・地域別の中心時給を表で整理し、同じ仕事でも会社で時給が違う4つの理由と、時給を上げる5ステップを解説します。
この記事でわかること
- 派遣時給は職種・地域・派遣会社の3軸でレンジとして読む。「平均約1,500円」の単一値は判断に使いにくい
- 職種別・地域別の中心レーン時給(事務・IT・製造ほか/首都圏〜札幌)を表で整理
- 同じ派遣先・同じ仕事でも会社で時給が違う4つの理由(マージン率設計/取引履歴/登録者プール/同一労働同一賃金方式)
- 公開義務のあるマージン率・平均賃金の読み方と、時給を上げる現実的な5ステップ
公的情報源: 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(参照)/「一般職業紹介状況」(参照)/「労働者派遣事業報告書の集計結果」(数値は2026年5月閲覧時点)
結論を先に書きます
派遣時給の相場は、「平均約1,500円」という1点の数字では捉えきれません。職種・地域・派遣会社の3軸で、レンジ(幅)として読むのが実態に近い見方です。
そして「同じ派遣先で同じ仕事をしているのに、A社経由とB社経由で時給が違う」のには、構造的な4つの理由があります。この4つを理解すると、自分の時給の妥当性も、時給を上げる打ち手も見えてきます。
- 相場は職種×地域×派遣会社の3軸のレンジで読む。公的統計の平均値と現場の体感値には3つのズレがある
- 会社で時給が違う理由はマージン率設計/取引履歴/登録者プールの厚み/同一労働同一賃金の方式の4つ
- マージン率は公開義務があり、平均賃金と併せて見ると自分の社内ポジションが把握できる
- 時給アップは単発交渉より業務範囲拡張・希少スキル追加で求人カテゴリ自体を上にずらす動きが効きやすい
時給の相場は最低賃金改定や地域経済の動向で変わります。本記事のレンジは2026年時点の目安であり、地域・職種で変動します。検討時点の最新値は一次情報でご確認ください。
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派遣時給の全体像|公的統計と現場の体感値の3つのズレ
派遣時給の相場を考えるとき、最初に押さえたいのが公的統計の平均値と現場の体感値の3つのズレです。「平均約1,500円」のような単一値は、いくつかの集計上の前提を理解したうえで読む必要があります。
- 「派遣の時給」と「短時間労働者の時給」は別カテゴリ
- 公的統計は職種を産業中分類でしか追えない
- 地域単価の差は「最低賃金」だけでは説明しきれない
ズレ1|「派遣の時給」と「短時間労働者の時給」は別カテゴリ
厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、雇用形態が正社員・正職員と短時間労働者・パートタイム労働者で区分されます。派遣社員は契約形態によって短時間労働者にも一般労働者にも分類されることがあり、調査の母集団がそのまま「派遣の平均時給」を表しているとは限りません。
補助線としては、職種ごとの所定内給与額レンジを参照しつつ、別途「労働者派遣事業報告書の集計結果」の派遣会社別平均賃金を併せて見ると、現場感覚に近い相場感がつかめます。
ズレ2|公的統計は職種を産業中分類でしか追えない
賃金構造基本統計調査も一般職業紹介状況も、職種は産業中分類または職業大分類で集計されます。一方、現場の派遣求人は「一般事務」「経理事務」「営業事務」「データ入力」「OAオペレータ」など、もっと細かいレイヤーで時給が分かれます。
同じ「事務」でも、経理事務とデータ入力では時給帯が200〜400円ほど離れることが多いものです。公的統計の括りより1段細かい解像度で相場を捉えると、自分の時給の妥当性を判断しやすくなります。
ズレ3|地域単価の差は「最低賃金」だけでは説明しきれない
派遣時給は地域別最低賃金の影響を受けますが、それだけでは説明しきれない地域差があります。東京23区と地方中核都市で同職種の時給に400〜600円の差が出るケースは珍しくなく、これは最低賃金差(数十円〜100円規模)を大きく超える幅です。
差の主因は、派遣先企業の集積度・案件競合度・通勤圏内の労働力供給バランスにあります。最低賃金は床(下限)の話、時給相場は床から上の市場形成の話、と切り分けて考えるとレンジが読みやすくなります。
公的統計で見る派遣時給|3統計の役割と読み方
派遣時給の客観値を確認できる公的統計を整理します。一次情報は各統計の最新公表値で更新されるため、ここではレンジの読み方と参照先を示します。
主要な3統計は、役割を分けて使い分けるのが基本です。

| 統計名 | 所管 | 確認できる主な値 | 更新頻度 |
|---|---|---|---|
| 賃金構造基本統計調査 | 厚生労働省 | 産業・職種・性別・年齢階級別の所定内給与・時間給 | 年1回 |
| 一般職業紹介状況 | 厚生労働省 | 有効求人倍率・職業別求人賃金(パートタイム含む) | 月次 |
| 労働者派遣事業報告書の集計結果 | 厚生労働省 | 派遣会社別の平均派遣料金・平均賃金・マージン率 | 年1回 |
相場感を素早くつかむなら、月次更新の一般職業紹介状況の職業別求人賃金が有用です。直近の相場変動が反映されやすく、職業中分類別の求人賃金中央値が参照できます。
長期トレンドを見たいなら賃金構造基本統計調査、派遣会社単位で比較したいなら労働者派遣事業報告書の集計結果を併用するのがスムーズな組み合わせです。
なお、労働者派遣法第23条第5項に基づき、派遣会社は1人あたりの派遣料金・賃金・マージン率を事業所単位で公開する義務があります。各社公式サイトの「情報公開」「マージン率」ページで確認できます。
職種別の時給レンジ|事務・IT・製造・販売・コール・医療の中心レーン
職種別の中心レーンを表で整理します。地域・スキル・派遣会社により上下するため、参考レンジとしてお読みください。
| 職種 | 中心レーン時給(首都圏) | 上位レンジに乗る条件 |
|---|---|---|
| 一般事務・データ入力 | 1,400〜1,700円 | Excel関数(VLOOKUP・IF・SUMIF)/タイピング分速250打鍵以上 |
| 経理事務 | 1,600〜2,100円 | 仕訳・月次決算補助の実務経験/会計ソフト操作経験 |
| 営業事務 | 1,500〜1,900円 | 受発注システム経験/顧客折衝経験/業界知識 |
| IT・SE系 | 2,200〜3,800円 | 主担当経験/言語・FW複数経験/上流工程の参加経験 |
| コール(インバウンド) | 1,400〜1,700円 | 金融・通信等の専門商材経験/SVルート可能性 |
| 製造・ライン作業 | 1,200〜1,500円 | 夜勤可/資格保有(フォークリフト等)/経験年数 |
| 医療事務 | 1,300〜1,600円 | レセプト点検経験/電子カルテ運用経験 |
| 販売・接客 | 1,300〜1,600円 | ブランド指名/売場経験年数 |
出典は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「一般職業紹介状況」の職業中分類別の所定内給与・求人賃金中央値、経済産業省「特定サービス産業実態調査」のIT関連サービス業集計、および主要派遣会社の公開求人レンジを基にした整理です(2026年5月閲覧)。実時給は地域・スキル・派遣会社により上下します。
ここで押さえたいのは、同じ職種でも、求人票の業務範囲が一段広いほど時給が上がるという傾向です。
一般事務でも「受発注の補助を含む」「英文メール対応を含む」「経理補助を含む」といった付帯業務が加わると、純粋な一般事務より100〜300円ほど上にずれることがあります。業務範囲が広く要件が複数積み上がる案件ほど、時給が上位レンジに乗りやすい構造です。
地域別の時給レンジ|首都圏・関西・中京・福岡・札幌の中心レーン
地域別の中心レーンを整理します。同職種でも地域単価が大きく異なるため、首都圏のレンジを地方都市にそのまま当てはめないのが読み方のポイントです。
| 地域 | 一般事務 | IT・SE | 製造ライン |
|---|---|---|---|
| 東京23区 | 1,500〜1,800円 | 2,400〜3,800円 | 1,300〜1,600円 |
| 大阪市内 | 1,400〜1,700円 | 2,200〜3,400円 | 1,250〜1,550円 |
| 名古屋市内 | 1,400〜1,650円 | 2,200〜3,300円 | 1,300〜1,700円 |
| 福岡市内 | 1,250〜1,500円 | 2,000〜3,000円 | 1,150〜1,400円 |
| 札幌市内 | 1,200〜1,450円 | 1,900〜2,800円 | 1,100〜1,350円 |
出典は厚生労働省「一般職業紹介状況(都道府県別)」「賃金構造基本統計調査(都道府県別)」の職業中分類別求人賃金、および主要派遣会社の公開求人レンジを基にした整理です(2026年5月閲覧)。最低賃金改定や地域経済の動向で変動します。
地域単価の差は、派遣先企業の集積度と労働力需給バランスでほぼ説明がつきます。首都圏は派遣先企業数と求人数が多く、企業間の人材獲得競争が時給を上振れさせます。
一方、製造業集積エリア(中京圏・北関東・東海)ではライン作業時給が首都圏並みかそれ以上に上がるケースもあります。「地方=安い」と単純化せず、職種×地域の組み合わせでレンジを読むのが妥当です。
同じ仕事でも会社によって時給が違う4つの理由
「同じ派遣先・同じ業務なのに、A社経由とB社経由で時給が違う」。これは派遣の時給を語るうえで核心の論点です。理由を4つに分けて整理します。

- 派遣会社のマージン率設計の差
- 派遣会社と派遣先の取引履歴と交渉余地
- 登録者プールの厚みと「希少スキル枠」の有無
- 同一労働同一賃金「労使協定方式 vs 派遣先均等均衡方式」の選択
理由1:派遣会社のマージン率設計の差
派遣先が支払う「派遣料金」から、社会保険料事業主負担・教育訓練費・営業コーディネーター人件費・営業利益などを差し引いた残りが、派遣スタッフの賃金になります。
マージン率の設計は派遣会社ごとに差があり、同じ派遣料金でも、マージン率が低めの会社ほど時給が高くなる構造です。マージン率は事業所単位で公開されているため、公式サイトの「情報公開」ページで比較できます。
理由2:派遣会社と派遣先の取引履歴と交渉余地
取引履歴の長さ・取引ボリューム・直近の充足率(紹介から就業決定に至った割合)は、派遣料金交渉での立ち位置に影響します。
長期取引で充足率の実績が高い派遣会社は、料金交渉で押し負けにくく、スタッフへの時給配分にも余裕が出やすい傾向です。逆に新規取引や充足率が安定しない会社は、料金を低く設定して受注を優先しがちで、時給配分が中心レーンに張り付きやすいところがあります。
理由3:登録者プールの厚みと「希少スキル枠」の有無
派遣会社が抱える登録者プールの厚みは、派遣料金交渉力に直結します。希少スキル(特定の会計ソフト経験、医療事務のレセプト点検実務、特定言語のSE経験など)の登録者を多数抱える会社は、希少スキル要件付き案件で派遣料金を上乗せでき、時給配分でも有利な設計が可能です。
特化型派遣(IT特化・医療特化・経理特化など)が同職種で大手より時給を高く設定できるのは、この構造に由来します。
理由4:同一労働同一賃金「労使協定方式 vs 派遣先均等均衡方式」の選択
2020年4月施行の改正労働者派遣法により、派遣会社は同一労働同一賃金の対応として労使協定方式または派遣先均等均衡方式のいずれかを選びます。
労使協定方式は一般労働者の平均賃金水準(職業安定局長通知)を基準に時給を決め、派遣先均等均衡方式は派遣先の同一業務の正社員待遇に均等・均衡させます。

同じ派遣先・同じ業務でも、採用方式が違えば時給算出の前提が変わるため、時給差が生じるケースがあります。詳細は厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金特設ページ」で確認できます。
会社ごとのマージン率の違いは時給に直結するため、派遣のマージン率とは(仕組みと相場)も併せて読むと、会社選びの判断軸が増えます。
派遣会社のマージン率の読み方|公開情報からの比較手順
公開されているマージン率を、自分の時給判断にどう使うかを整理します。有用な3ステップの読み方です。
- マージン率の式と内訳を理解する
- 同職種・同条件で複数社のマージン率を並べる
- 派遣会社が開示する「平均賃金」を補助線として使う
手順1:マージン率の式と内訳を理解する
マージン率は (派遣料金 − 派遣労働者の賃金) ÷ 派遣料金 × 100 で算出されます。内訳には社会保険料事業主負担・有給休暇引当・教育訓練費・営業コーディネーター人件費・営業利益などが含まれ、「マージン率=派遣会社の利益率」ではない点に注意が必要です。
厚生労働省も「マージン率の数値だけで派遣会社の良し悪しを判断するのは適切でない」旨を示しています。賃金水準・教育訓練の中身・福利厚生と併せて見るのが妥当な使い方です。
手順2:同職種・同条件で複数社のマージン率を並べる
有効なのは、希望する職種カテゴリ・地域カテゴリでマージン率を3〜5社並べる手順です。各社公式サイトの「情報公開」「マージン率」ページに、事業所単位で前年度実績が掲載されています。
ただしマージン率が極端に低い会社は、教育訓練や福利厚生のコストが抑えられている可能性もあります。賃金水準・福利厚生・教育プログラムの3点と必ずセットで確認するのがスムーズです。
手順3:派遣会社が開示する「平均賃金」を補助線として使う
マージン率と併せて公開される1人あたり平均賃金を補助線にすると、現在の自分の時給がその会社の中で上位・中位・下位のどこに位置するかを把握できます。
平均賃金が自分の時給より明確に高ければ、職種・スキル・拠点の組み合わせを変えることで同社内でも時給アップの余地がある可能性があります。平均賃金±10%以内が、その会社における中位レーンの目安として読めるケースが多めです。
派遣時給を上げる現実的な5ステップ
時給アップにつながる現実的な動き方を5ステップで整理します。「単発で時給交渉する」より、構造的に時給帯を上位へずらす設計のほうが効果が見えやすいのが実態です。
- 公的統計とマージン率で現在の自分の時給ポジションを確認する
- 業務範囲拡張による時給アップを契約更新時に申請する
- 3〜5社並走登録で派遣会社別の同条件時給を比較する
- 希少スキルを1つ追加して上位レンジへの参入条件を作る
- 契約更新タイミングで時給見直しを正式に相談する
各ステップの要点は次の通りです。
- ポジション確認:賃金構造基本統計調査・一般職業紹介状況・派遣会社の情報公開ページの3点で、職種・地域・社内位置を確認する
- 業務範囲の拡張:経理補助・英文メール対応・受発注業務の追加など、付帯業務を増やして求人票上の時給帯を上にずらす
- 3〜5社の並走登録:同じ派遣先・同じ職種カテゴリでも会社差が出るため、別会社での再提案を視野に入れる
- 希少スキルの追加:VLOOKUP・ピボット・特定会計ソフト・特定言語などで、上位レンジへの参入条件を作る
- 更新時の正式相談:更新月の1〜2ヶ月前が、新条件を反映しやすいタイミング
時給アップが実現したケースの多くは、直接交渉より「業務範囲拡張と希少スキル追加で求人カテゴリ自体を変える」動きでした。
派遣料金は派遣先と派遣会社の取引契約で決まるため、業務範囲が同じまま時給だけを引き上げる交渉は通りにくいのが構造です。一方、業務範囲を拡張して契約更新時に新条件で提案する流れは、双方にとって新料金合意のタイミングとして合理性があり、時給アップにつながりやすくなります。
並走登録で会社差を比較する流れは、派遣登録の流れ(手順と準備)に沿って進めると無理がありません。
同一労働同一賃金(2026年版)後の時給と待遇の実態
改正労働者派遣法による同一労働同一賃金のルール下で、派遣の時給と待遇がどう変わったかを整理します。
労使協定方式が中心レーン
大手派遣会社の多くは労使協定方式を採用する傾向にあります。労使協定方式では、職業安定局長通知の「一般労働者の賃金水準」を基準に、地域指数・通勤手当・退職金加算などを組み合わせた時給水準を決定します。
派遣先均等均衡方式と比べて運用負担が抑えられる点と、スタッフの時給水準が一定の床(最低賃金より高い水準)で保護される点が、採用が広がった主因と見られます。
通勤手当・退職金・賞与の整理
同一労働同一賃金に伴い、通勤手当・退職金・賞与相当分の扱いが派遣会社ごとに明文化されました。労使協定方式では、通勤手当は実費支給または1時間あたりの相当額を時給に組み込む方式、退職金は前払い方式または退職時一括方式が中心です。
通勤手当が時給込みの場合と別建ての場合では、求人票の時給だけを単純比較すると損する可能性があります。月の見込み手取り額ベースでの比較が必要です。
「派遣先正社員と同等の待遇」は実現しているか
理念どおりの「派遣先正社員と同等待遇」が実現しているかは、ばらつきがあります。派遣先均等均衡方式は派遣先の正社員待遇に均等・均衡させる設計のため理念に近い運用になりますが、採用率は労使協定方式より低めです。
労使協定方式は地域別・職種別の一般労働者賃金水準を基準とするため、派遣先正社員より高くなるケースも低くなるケースもあります。自分の待遇がどちらの方式で設計されているかを派遣会社に確認する動きは、契約更新時に時給と待遇全体を整理し直す機会としても有効です。
よくある質問(FAQ)
Q1:派遣時給の「全国平均」を一つの数字で覚えても大丈夫ですか
「派遣の平均時給は約○○円」のような単一値は、職種・地域・派遣会社の3軸の集計平均にすぎず、自分の時給判断には不向きです。まず職種を中分類より細かいレベルで特定し、次に地域、最後に派遣会社の3軸でレンジを並べると、自分の時給の位置が見えやすくなります。一次情報は厚生労働省「賃金構造基本統計調査」「一般職業紹介状況」を参照してください。
Q2:マージン率が低い派遣会社を選べば時給は高くなりますか
マージン率が低い会社は、平均的に賃金配分が高めになる傾向はありますが、そうとは限りません。マージンには社会保険料事業主負担・教育訓練費・福利厚生コストが含まれ、極端に低い場合はこれらのコストが圧縮されている可能性もあります。賃金水準・福利厚生・教育プログラムの3点とセットで判断するのが妥当です。
Q3:派遣会社に時給アップを交渉する効果的なタイミングはいつですか
効果が見えやすいのは契約更新月の1〜2ヶ月前です。派遣会社が派遣先と次期契約料金を調整する時期にあたり、時給見直しが新契約に反映しやすい構造があります。単発の交渉より、業務範囲の拡張・希少スキルの追加など求人カテゴリ自体を変える動きとセットで提案するほうが受け入れられやすい傾向です。
Q4:同じ派遣先で別会社経由のスタッフが自分より時給が高いと知ったら、どう動くべきですか
まず、両者の業務範囲・契約形態(期間・週日数・時間外見込みなど)が同一かを確認します。同じ派遣先でも業務範囲がわずかに異なる(付帯業務の有無、責任範囲の差など)ケースが多く、その差が時給差に反映されていることがあります。業務範囲がほぼ同一なら、契約更新時に自社の営業担当へ時給見直しの正式相談を行うのがスムーズです。別会社への移籍は、直接スカウト禁止条項などの制約の有無を確認したうえで検討します。
Q5:派遣時給は地域別最低賃金の改定で必ず上がりますか
地域別最低賃金が改定されると、最低賃金を下回る時給は法定の改定対象となり、各社が時給見直しを実施するのが通常運用です。一方、すでに最低賃金より十分高い時給帯の場合は、自動的に反映されるとは限らず、料金交渉を経て調整されます。毎年10月前後の改定時期は、自分の時給水準の見直しを派遣会社に相談する機会として活用されることが多めです。
Q6:労使協定方式と派遣先均等均衡方式、どちらの派遣会社を選ぶべきですか
どちらが有利かは、派遣先正社員の待遇水準と一般労働者の賃金水準のバランスで異なります。目安として、派遣先が大手企業で正社員待遇が手厚い場合は派遣先均等均衡方式が有利になりやすく、派遣先が中小企業で正社員待遇が一般水準寄りの場合は労使協定方式のほうが時給の床が安定する傾向があります。厚生労働省「派遣労働者の同一労働同一賃金特設ページ」で両方式の詳細を確認したうえで、登録時に採用方式を確認するのがスムーズです。
Q7:派遣時給の中央値・分布を月次で追える公的データはありますか
厚生労働省「一般職業紹介状況」が月次更新で、職業中分類別の求人賃金中央値や有効求人倍率を公表しています。派遣に特化したものではなくパートタイム求人全体を含む集計ですが、月次の動きと職業別の分布が把握できます。長期トレンド・地域別・年齢階級別の詳細を追う場合は、年1回更新の「賃金構造基本統計調査」と組み合わせると有用です。派遣会社単位の年次比較は「労働者派遣事業報告書の集計結果」が出典として整っています。
まとめ:派遣時給は「3軸のレンジ」と「会社差の理由」で立体的に読む
派遣時給の相場は、外から見ると「平均○○円」の単一値で語られがちです。けれど実態は、職種・地域・派遣会社の3軸でレンジを並べる読み方のほうが、自分の時給判断や時給アップ設計に直結します。
- 相場は職種×地域×派遣会社の3軸のレンジで読む。公的統計の平均値と現場の体感値には3つのズレがある
- 公的統計は3つを役割分担で使う(月次=一般職業紹介状況/長期=賃金構造基本統計調査/会社比較=派遣事業報告書)
- 会社で時給が違う理由はマージン率設計/取引履歴/登録者プール/同一労働同一賃金方式の4つ
- マージン率は公開義務があり、平均賃金と併せて社内ポジションを把握できる
- 時給アップは業務範囲拡張・希少スキル追加で求人カテゴリ自体を上にずらす動きが効きやすい
公的統計でレンジの客観値を押さえ、派遣会社の情報公開ページでマージン率と平均賃金を確認し、「会社で時給が違う4つの理由」を構造として理解する。この3層で組み立てると、相場感が立体的に見えてきます。
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免責事項
※本記事は厚生労働省などの公開情報をもとにした整理です。記事内の職種別・地域別の時給レンジは2026年時点の目安であり、地域・職種・派遣会社により変動します。具体的な時給水準・労働条件・社会保険の取扱いは、厚生労働省および応募先派遣会社の最新情報をご確認ください。労務トラブルの個別判断は、各都道府県の総合労働相談コーナーや法律の専門窓口にご相談ください。
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